国内外の観光客に広く知られるのが東京〜大阪間を巡る「ゴールデンルート」ですが、実は宝石のような魅力が詰まった旅路があります。それが太平洋から日本海へ抜ける「クリスタルルート」です。
東京を出発し、雄大な富士山を望みながら甲府盆地へ。そして山並みを越え、日本海へと至るこのルートの要となるのが、山梨・甲州の地です。
甲州(現在の山梨県や甲府盆地周辺)は古来より透明度の高い水晶が長年にわたり産出される土地。昇仙峡の渓谷に訪れれば、かつてこの大地から掘り出された水晶の歴史に触れることができます。そして水晶産出とともに磨かれてきたのが「宝飾加工」の技。甲州の水晶加工技術は江戸時代から続く伝統的工芸であり、その技術が今も息づく甲府は今、国内最大の宝飾産地として、職人たちの精緻な技術が世界に誇るジュエリーを生み出し続けています。
そんな甲府の魅力に触れることができるクリスタルルートは、日本の知られざる美しさを知る穴場観光コースと言えます。
ここでは、ほかの有名観光ルートの魅力も合わせてご紹介!この記事を読めば、きっとあなたが知りたい日本が見えてきますよ!
この記事の目次
ゴールデンルート

東京→箱根→富士山周辺→名古屋→京都→大阪を巡る、いわゆるゴールデンコースは、昔から人気の観光コースです。日本の人気の都市や景観を効率よく周遊できます。
ルートの詳細
成田空港(NRT)か羽田空港(HND) に到着し、電車や新幹線、バスなどを利用しながら西へ移動します。富士山へは新宿から大月へJR中央本線、大月から河口湖まで富士急行線を使う電車ルートが一般的で、そのあと、河口湖駅や富士急ハイランドからバスで三島駅や新富士駅へ向かい、そこから新幹線で名古屋駅へいくのが一般的です。
帰国は、関西国際空港(KIX) からが一般的なケースです。
見所
- 東京:アニメや漫画などのジャパニーズポップカルチャー、浅草・浅草寺などの歴史・文化や、ラーメン、もんじゃ焼き、寿司、天ぷらなどの日本食を味わえます。
- 箱根:日本を代表する温泉地を味わえます。
- 富士山:世界遺産にも登録され、日本の象徴でもある富士山とその周辺の文化を味わえます。五合目までなら、観光バスで行けますが、そこからの眺めも絶景です。
- 名古屋:名古屋城や犬山城などの歴史遺産を味わえます。
- 京都:金閣寺、銀閣寺、清水寺など日本らしい寺社仏閣や庭園を味わえます。
- 大阪:大阪城、道頓堀、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど、グルメやエンターテイメントが豊富です。
でも今は、2度目の訪日のケースだけでなく初めての訪日でも、定番ルートを行かずに、日本アルプスや北陸、広島、九州、北海道を訪れる人も増えているので、それもご紹介しますね!
北陸新幹線ルート

2015年の北陸新幹線の延伸で、東京から金沢へ気軽に行けるようになったため、北陸経由で日本の背中側を通って大阪へ抜けるルートをいく観光旅行者が増えました。
「新ゴールデンルート」とも呼ばれています。日本古来の文化や建築、日本海の海の恵みを頼った食文化がなど、より日本らしい魅力を体験できるルートと言えます。
ルートの詳細
東京から北陸新幹線でおよそ2.5時間で金沢に到着します。石川や富山、福井を観光して、サンダーバードや 特急しらさぎを利用して、名古屋や京都、大阪へ向かいます。
一方、愛知県から岐阜県・富山県・石川県、長野県(松本、上高地)へと北へ縦断するルートは、そのうねる姿を龍の体、能登半島を龍の頭に見立てて昇龍道(ドラゴンルート)と呼ばれます。中国や台湾など龍や縁起を重んじる観光客に人気の観光ルートです。
見所
金沢:金沢は江戸時代に「加賀百万石」として知られた加賀藩の城下町で、今も町並みや建物、工芸など江戸時代当時の雰囲気や職人技を色濃く残します。兼六園や金沢城が人気です。また、「白身のトロ」とも呼ばれる高級魚ノドグロや、冬の金沢を代表する味覚「加能ガニ(ズワイガニ)」、甘エビなど金沢は新鮮な海の幸が豊富なグルメスポットです。
立山黒部アルペンルート(富山):日本アルプスの中でも最も険しく美しい北アルプス。その中でも黒部ダムや室堂など標高3000メートル級の山々をすぐ身近に感じられる山岳観光ルートが、立山黒部アルペンルートです。昔から国内で有名な観光コースですが、最近は外国人観光者も増えました。
温泉:そんな地形的ダイナミズムの恩恵を受けるように、富山や金沢には加賀温泉郷(金沢)、山代温泉(金沢)、片山津温泉(金沢)、宇奈月温泉(富山)など名湯が多くあります。
北陸ルートは東京から素早く北陸に行けるので、定番スポットの混雑を避け、「日本らしい古き良き」を静かに堪能したい旅行者に人気が高まってます。
ただし、前述の北陸新幹線ルートだと一気に北陸まで行けるのは便利ですが、富士山には立ち寄れません。
そこで、東京から山梨(甲州、現在の甲府盆地周辺)を経由して富士山を見てから、長野(信州)を経由して北陸へ抜ける『クリスタルルート(富士山ー日本海ルート)』をこのあとご紹介します!クリスタルルートは、
山梨県甲府市は日本最大の宝飾産地として有名です。透明度の高い良質な水晶が長年産出したためです。水晶の利用の歴史はとても古く、5,000年前〜3,000年前の縄文時代にすでに甲府の地域で水晶の鏃(やじり)が作られていたことが分かっています。また、甲州の水晶加工技術は江戸時代から続く伝統的工芸品として国の指定を受けています。水晶を加工する技術が現在の甲府の街の宝飾技術に醸成しました。そんな甲府市を観光できるルートです。
富士山ー日本海ルート『クリスタルルート』〜富士山、甲州、北陸を観光できる

『クリスタルルート』は富士山ー日本海ルートです。富士山、甲州、北陸を結び、富士山、リニア中央新幹線山梨駅(2031年完成予定)、甲府(宝飾、ジュエリーの街)、松本(松本城)、北陸を経由しながら、日本の奥ゆかしい伝統文化や工芸技術、建築を存分に堪能できるコースです。富士山と日本海を結ぶ南北ルートです。
甲府盆地の魅力はこちらでまとめています。
水晶の街、甲府(甲州)ー甲府盆地The Crystal City, Kofu (Koshu)- Kofu Basin
甲州(現在の山梨県や甲府盆地周辺)の中でも昇仙峡の渓谷を中心とした山域では、透明度の高い水晶が長年にわたり産出された鉱山が複数あり、水晶の一大産出地として有名です(現在は採取禁止)。
昇仙峡に訪れれば、かつてこの土地から掘り出された水晶の歴史に触れることができます。


そして良質な水晶産出とともに磨かれてきたのが「宝飾加工」の技。
甲州に根付いた水晶加工技術は江戸時代よりも前から続く伝統的工芸品として経済産業大臣の指定を受けており、その技が今も息づく甲府は国内最大の宝飾産地です。職人たちの精緻な技術が世界に誇るジュエリーを生み出し続けています。→こうふジュエリーマップ(PDF:71,852KB)




縄文時代の交易拠点 Jomon Period Trading Hub
ちなみに、このコース上にある甲府から諏訪(松本より少し東京側の都市)の道は、『星降る中部高地の縄文世界』として日本遺産に登録され、その周辺には多数の数千年前の人の遺跡が発掘されています。
数千年前、それは日本の縄文時代と呼ばれる狩猟採集時代でしたが、その時代に狩猟に欠かせなかった黒曜石という資源が豊富に産出したこの地域(和田峠、長野県)は当時から交易の重要な拠点となっていました。
そんな日本の狩猟採集時代に想いを馳せながら、太古の道のロマンに触れるのもこのルートの良さです。

その黒曜石は火山活動によって生じる天然のガラスと言われ、マグマが急冷されて形成されます。日本列島を東西に分ける巨大な地溝帯「フォッサマグナ」は火山活動や地殻変動が活発な地帯ですが、これが山梨、長野を通っています。
このフォッサマグナ周辺で良質な黒曜石が産出されたということになります。フォッサマグナの発見は、ドイツ人地質学者エドムント・ナウマン博士によるもので、ナウマンゾウの命名や化石の発掘もナウマン博士にちなんでつけられました。
また、この道は『塩の道』の一部でもあります。日本海で採れた塩を信州松本まで運ぶ道です。戦国時代、武田信玄が塩不足に苦しんでいると知った上杉謙信が、道義心から武田信玄に塩を送ったという逸話がありますが、これも塩の道があったからこそ。この逸話から、敵が苦境にあるときはその弱みにつけ込まず、むしろ窮状を助ける、という日本語の比喩「敵に塩を送る」が生まれました。
ここからは、令和7年3月甲府市議会で廣瀬が行った「富士山から甲府盆地経由の日本海観光ルートの構築」の質疑をご紹介します。
令和7年3月甲府市議会 こうふ未来 廣瀬の一般質問
廣瀬:富士山から甲府盆地経由の日本海観光ルート構築について
富士山から甲府盆地経由の日本海ルートを構築することの提案をいたしたいと思います。
コロナ禍以前には、富士山、富士五湖エリアに1,800万人余りの観光客が来ています。しかしながら、甲府盆地エリアには500万人未満の観光客数しか来ていません。これには、東西、関東、関西から直接来ている方の人数も、500万人未満という中に入っているはずです。
コロナ禍を経た現在も、多くのインバウンドを含めた観光客が富士山、富士五湖エリアに来ています。特に最近のインバウンドは、東京や大阪などの都市部から地方へ流れている傾向が多く見られています。日本海の新潟、富山、金沢などの景観や食文化に人気が一段と高まっています。海を見るだけで、高知の海はオーバーツーリズムになっているという話も、昨年報道がありました。
最初に質問したように(仮称)富士トラム構想が実現し、リニア開業による山梨県駅につながることにより、富士五湖エリアから多くの観光客が甲府に訪れることが期待できます。
これまでの議論をまとめると、富士山から(仮称)富士トラムに乗って(仮称)リニア山梨県駅へ行きます。甲府盆地を回遊して、長野道は松本から高速道路で新潟や、そしてまた昇龍道へつながり、さらに中部横断自動車道は小諸へとつながり、新潟や上高地、高山、白川郷、富山、金沢などの日本海への食と海のルートが出来上がります。
今後、インバウンド観光が飛躍的に伸びていくことが予想されます。インバウンドの動向は国内旅行を先導していきます。その旅路は、富士山を中心に、東西のゴールデンルートから南北へとシフトし、日本海へのルート構築が期待されています。それには富士山と日本海をつなぐ甲府の役割が欠かせないものとなっています。このためにも、甲府盆地に滞在してもらうための戦略が必要だと考えます。
リニア開業や(仮称)富士トラム構想の実現を見据え、特にインバウンド誘客に対して富士山と日本海をつなぐために、甲府市としてこれから観光やまちづくりにどのように取り組んでいくか、お尋ねいたします。よろしくお願いいたします。
(市からの)答弁
富士山から甲府盆地を経由する日本海ルートの構築についてお答えをいたします。
日本政府観光局の発表によると、2024年の訪日外客数は過去最多の約3,687万人を記録したところであり、山梨県内においても富士五湖エリアを中心に、今でも多くのインバウンド観光客が訪れております。
こうしたことから、富士五湖エリアからのインバウンドの誘客を図るため、近年、同エリアに台湾からの旅行者が多く訪れていることに着目をし、今年度におきましては、県央ネットやまなしの取組の中で、その旅行ニーズに合った体験型コンテンツを造成したほか、今後のインバウンド事業を戦略的に展開していくための基礎となるニーズ調査を現在行っているところであります。
さらに本市では、甲府駅周辺エリア全体のまちなかのにぎわいと交流の創出を図るため、歴史・文化を感じられるこうふ亀屋座と、散策をしながら城下町の雰囲気を楽しめる小江戸甲府花小路を本年4月より開業するほか、まちなかの身近な動物園として多くの皆様に愛されている遊亀公園附属動物園のリニューアル、また、長い歴史を有する市内唯一の温泉郷、信玄の湯湯村温泉再開発事業への支援など、国内外からの誘客促進に向けて様々な観光振興策を展開しております。
本市はもとより、圏域エリア全体への誘客を促進していくためには、まずはこうした取組を一層推進していくことが必要でありますので、現段階で、富士山を起点に甲府を経由して日本海エリアへつなぐ観光ルートの構築、及び具体的な観光振興策の考えはございませんが、将来的に(仮称)富士トラム構想の実現により、富士五湖エリアと(仮称)リニア山梨県駅を結ぶ新たな交通網が整備されますと、多くのインバウンドの来訪が期待できることから、県央ネットやまなし観光エリアへのインバウンドの誘客を第一に考え、これまでの取組を生かし、インバウンド事業を着実に推進してまいります
廣瀬
対応ありがとうございます。
甲府自体が本当にインバウンドを引っ張っていくかどうかというのは、まだ私もはっきり分かりませんが、日本海ルートという中で甲府を考えていく、面的に、点から面に変換をしながら考えていくというところで、甲府は魅力が出てくるのではないかなと思っていますので、ぜひ、甲府だけでとどめるのではなくて、甲府を通って周回をしてからまた行くという、そういうルートをぜひつくっていくべきだろうと。それには甲府と県央ネットやまなしの役割が絶対に欠かせないものではないかなと思っています。ぜひその辺を御配慮願いたいと思います。
